最初は寄付のお申し込みだけでドキドキしていた「ふるさと納税」も、慣れてくると次から次へと新たな返礼品欲しさに申し込みしたくなりますよね。
ふるさと納税には個人の年収等によって控除上限額がありますが、それ以内の寄付金額であれば実質自己負担額は一律2,000円。お申し込みするほど寄付総額に対する自己負担の割合が減ってお得になる制度です。
そのため、1年間にたくさんの自治体(市区町村)に寄付してみたり、応援している自治体に高額の寄付をされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、同じ年に同じ自治体に対して、何度もふるさと納税していいものなのでしょうか?また複数回申し込みする際に何か注意すべきことはあるのでしょうか?
当記事では、ふるさと納税を年に何回も同じ自治体へ申し込みする際に注意すべきことや、メリットの有無について解説していきます。
ふるさと納税の仕組み・やり方・注意点など最初に押さえておくべき内容を解説します
ふるさと納税は1年間に同じ自治体へ複数回寄付してもいいの?
まずそもそも、1年の間に同じ自治体に対して繰り返しふるさと納税してもいいものなのでしょうか?
結論からいうと、年内に同じ自治体に何度ふるさと納税してもOKです。
ふるさと納税制度には同じ自治体への寄付回数に制限はありません。複数回、1年に何度でも寄付することができます。
- 当初の想定よりも年収アップしたので、先日ふるさと納税した自治体に追加で寄付したい
- 色々な返礼品を楽しみたいと思っていたけど、この前貰った商品が良かったからまた同じ自治体にふるさと納税したい
- 同じ自治体を応援したいけど、今度は違う商品を貰いたい
このように同じ自治体に複数回ふるさと納税するといっても様々なケースがあります。
いずれにしても、1年に2回以上でも同じ自治体にふるさと納税することはできますし、同じところに追加で寄付した金額も税金から控除されるのでご安心ください。
1年間に同じ自治体へ2回以上ふるさと納税する時の注意点は?
上述のとおり、同じ自治体であっても年に複数回ふるさと納税することは可能です。しかし注意すべきことがありますので把握しておきましょう。
注意点1:自治体によっては2回目以降のふるさと納税では返礼品が貰えない
「同じ自治体を応援したいけど、今度は違う商品(返礼品)をもらいたい」
「前回もらった返礼品が良かったので、追加で寄付して同じ商品をもらいたい」
このようなケースはよくあると思います。
しかし、自治体によっては「返礼品(お礼の品)はその年で最初(1回目)のふるさと納税時のみ送付」と定めています。
このような自治体には、年に何度も寄付しても税金の控除は受けれますが、返礼品は最初の1回分しか貰えませんのでご注意ください。
この場合も税金の控除は受けれるので極端に損するわけではありませんし、また繰り返し寄付することでその自治体を応援できることに変わりはありませんので、理解した上で申し込みする分には良いでしょう。
しかし「ふるさと納税をお得に活用する」ことを重要視するならば、その年で最初のふるさと納税時のみ返礼品を送付している自治体には年に複数回の寄付はせず、他の自治体へ寄付するようにしましょう。
複数回ふるさと納税しても返礼品が貰える自治体の見分け方
1年間で最初のふるさと納税時のみ返礼品を送付している自治体を見分けるには2つの方法があります。
- 自治体のふるさと納税を担当している窓口に問い合わせ
- ふるさと納税サイトの自治体紹介ページや申し込みページで確認
「ふるなび」や「
ふるなびの場合、寄付申し込みページに回数制限の有無について書かれています。
上の画像では「年何度でも可」という記載があります。このように書かれている自治体は、1年に2回以上ふるさと納税しても返礼品をもらうことが可能です。
参考:
さとふるの場合、寄付申し込みページから自治体の詳細ページを開くと「寄付区分一覧」という項目内に回数制限の有無について書かれています。
上の画像では「同一年内で複数回の寄付を行った場合でも、都度お礼品を受取る事ができます。(受取り回数の制限はありません)」という記載があります。このように書かれている自治体は、1年に2回以上ふるさと納税しても返礼品をもらうことが可能です。
参考:
注意点2:ワンストップ特例制度の申告特例申請書は寄付ごとに返送する
ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用して確定申告せず税金の控除を受けるには、申告特例申請書を寄付先の自治体に提出します。
申告特例申請書と添付書類は寄付ごとに自治体へ郵送しなければなりません。例えば1年間に同じ自治体へ2回寄付した場合には、申請書と必要書類を2度郵送します。
申告特例申請書はふるさと納税の都度その自治体に対して申請書を提出するため、1年間に同じ自治体に2回寄付したら2通その自治体に申請書を郵送します。
こうした事務手続きを年末などにまとめて行おうとすると書類を一つにまとめてしまいがちですが、「申告特例申請書は寄付ごとに提出」と覚えておきましょう。
関連:ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」とは?仕組み・申請方法・期限を解説します。
反対に同じ自治体にふるさと納税することでメリットはあるの?
ここまでは、1年間に同じ自治体に複数回ふるさと納税する際の注意点を解説してきました。ここからは反対に、同じ自治体へ複数回寄付することによるメリットについて解説していきます。
ワンストップ特例制度は年5つの自治体まで。同じ自治体なら何度寄付しても1自治体としてカウント
ふるさと納税の税金控除を確定申告不要で行える「ワンストップ特例制度」は、1年間のふるさと納税の申し込み先が5自治体以下であることが条件です。しかしここでの「5自治体」は寄付回数ではなくあくまで自治体数ですので、同じ自治体への申し込みであれば1自治体としてカウントされます。
- OK例:ABCDEの5自治体へ寄付済み、A自治体へ追加で申し込みした=寄付先は5自治体
- NG例:ABCDEの5自治体へ寄付済み、新たにF自治体へ申し込みした=寄付先は6自治体
年間の控除上限額ギリギリまでふるさと納税しようとすると、「5自治体に寄付したけど上限額までまだ余裕がある」というケースもあると思います。
すでに5自治体へ申し込み済みで追加申し込みしたい時は、同じ自治体へ申し込みすることで、ワンストップ特例制度の条件内でふるさと納税を利用できるというわけです。
同じ自治体に何度もふるさと納税する時の注意点やメリットまとめ
当記事では、ふるさと納税を1年に何回も同じ自治体へ申し込みする際の注意点やメリットについて解説しました。
同じ自治体に複数回申し込みすることで極端に大きなメリット・デメリットこそありませんが、この仕組みを理解しておくことで今まで以上に有効活用できるシーンもあるはずです。
とくに返礼品については、その年で最初のふるさと納税時のみ送付している自治体かどうか事前にチェックしながら申し込みするよう気をつけましょう。チェック自体はふるさと納税サイトを使えば簡単です。