先日、住信SBIネット銀行より「スマートプラグラム(仮称)」の開始のお知らせがありました。
ATM利用手数料や振込手数料無料などお得で利便性も高く僕がオススメしている銀行の1つが、この住信SBIネット銀行です。
ところが今回発表された「スマートプログラム」が2016年1月から開始されることによって、サービスがちょっと複雑になりそうです。特に「ランク制度」については個人の普段使いに大きな影響を与えるかもしれません。
スマートプログラム概要
プログラムの内容は大きくわけて2つあります
- 現金へ交換可能なポイントの加算
- ランク制度によるサービス優遇
※2015年9月発表時点
簡単に言ってしまうと、住信SBIネット銀行関連のサービスをより多く利用している人ほどランクが高くなりやすく、ポイントも加算されやすいといったサービスです。
ちょっと複雑なところもあるので順番に整理していきます。
スマートプログラムのポイント加算について
商品・サービスのご利用状況に応じて、またはキャンペーンの特典として、ポイントが貯まります。なお、貯まったポイントは、一定のポイント数に達すると1ポイント1円相当で現金へ交換することができます。
ポイント自体は現金へ交換可能ということでありがたいですが、加算方法は限られています。
- デビットカード使用(同時期より取り扱い開始予定)
- 後述する「ランク」特典によるボーナスポイント
- 他、キャンペーンの特典
1つ目のデビットカードの使用については、使用金額に応じて加算されると思うので還元率次第といったところでしょうか。
2つ目のランクによるボーナスポイントは、後述するランク制度の1番高い「ランク4」になることで、毎月50P(50円)加算されるそうです。ただこれ、中々厳しい条件だと思います。
3つ目のキャンペーンの特典についても、やはりキャンペーン次第で現時点ではなんとも言えませんね。ただ、おまけみたいなもんじゃないでしょうか。
ということで現時点での印象は、デビットカードを利用される方にとっては還元率次第でメリットがあるかもしれませんが、そうでなければあまり恩恵を受けることがないので微妙かもしれません。
スマートプログラムのランク制度とは
前述のポイント加算より大きな影響を与えそうなのがこの「ランク制度」です。
商品・サービスのご利用状況に応じて、お客さま毎にランク1からランク4までの4段階のランクの判定を行い、以下の各項目につき、ランクに応じた優遇を適用します。
住信SBIネット銀行のサービス利用状況によって4段階のランクを設け、ランクが高くなるごとにサービスを優遇していくといったものです。
具体的にランク別の優遇措置としてはこのようなものが発表されています。
これは影響大きそうです。
- ATM利用手数料の無料回数
- 他行への振込手数料無料回数
このどちらも、ランクによって無料回数が決まります。
しかもこれ、今までは回数制限なく無料で引出しできた、「セブン銀行」「イオン銀行」も含めた回数です。提携先ATM毎の制限が無くなります。さらに、「ランク1」の人だと、合計回数も今までより減ってしまいます。
月に何度も引出しや振込をする人って、個人利用だとあまり多くないのかもしれませんが、ランク次第では「何も気にせず気軽に利用」というわけにはいかなくなるでしょう。
では、そのランクがどのような条件で決まるか、ランク別にまとめてみます。
ランク1
後述する「ランク2」の条件を満たさない人全員です。ランク1だと前述のとおり、ATM利用手数料の無料回数が月2回、他行への振込手数料無料回数が月1回と、思いっきり影響を受けます。運用見直しが必要となる人もいそうですね。
ランク2
以下3つのいずれかの条件に該当する方です。
- 総預金の月末残高が100万円以上
- 総預金の月末残高が1,000円以上 かつ 30歳未満
- 総預金の月末残高が1,000円以上 かつ 以下の1~8の条件に2つ以上該当
- 外貨預金(普通・定期)の月末残高あり
- 仕組預金の月末残高あり
- SBIハイブリッド預金の月末残高あり
- カードローンの月末借入残高あり
- 目的ローンまたは不動産担保ローンの月末借入残高あり
- 純金積立の引落しあり
- 給与、賞与または年金の振込あり
- デビットカードのご利用金額合計が月間1万円以上
月末の総預金残高が100万円以上ある方は問題ありません。そうでなければ最低でも1,000円の預金残高と、年齢もしくは上の8つの条件で2つ該当することが必要です。
ランク2は意外と簡単にクリアできる条件だと思います。
ランク3
ランク2より条件がちょっと厳しくなります。以下3つのいずれかの条件に該当する方です。
- 総預金の月末残高が300万円以上
- 総預金の月末残高が1,000円以上 かつ 住宅ローンを利用
- 総預金の月末残高が1,000円以上 かつ 以下の1~8の条件に3つ以上該当
- 外貨預金(普通・定期)の月末残高あり
- 仕組預金の月末残高あり
- SBIハイブリッド預金の月末残高あり
- カードローンの月末借入残高あり
- 目的ローンまたは不動産担保ローンの月末借入残高あり
- 純金積立の引落しあり
- 給与、賞与または年金の振込あり
- デビットカードのご利用金額合計が月間1万円以上
月末の総預金残高が300万円以上ある方は問題ありません。そうでなければ最低でも1,000円の預金残高と、住宅ローン利用か上の8つの条件から3つ該当することが必要です。
ランク3だと、ATM利用手数料も振込手数料も月に7回まで無料になるので、多くの人は事足りるのではないかなと思います。
ランク4
1番高ランクなのでさらに条件厳しくなります。以下2つのいずれかの条件に該当する方です。
- 外貨預金と仕組預金の月末残高合計が、500万円以上
- 外貨預金と仕組預金の月末残高合計が、300万円以上 かつ 住宅ローンを利用
「外貨預金」と「仕組預金」の少なくともどちらかは利用していないといけません。
この条件をクリアすると、ATM利用手数料と振込手数料ともに、月15回まで無料になります。また「毎月50ポイント付与」の特典もあります。15回も無料である必要もなければ、月50ポイントのために頑張るのもどうかと思うので、大体の人はランク3の条件がクリアできていればいいんじゃないかなと思いました。
「SBIカード」利用者へ朗報
「SBIカード」を契約していて、さらに住信SBIネット銀行をその振替口座としている方に朗報です。カード券種応じて、以下のようにランクアップされるみたいです。
- SBIレギュラーカード:+1ランク
- SBIプラチナカード、SBIゴールドカード:+2ランク
ただし、これまでSBIレギュラーカードは年会費無料でしたが、2015年10月1日から「初年度無料、2年目以降は年間10万円以上の利用が無料条件」と変更されています。そのため今回のランク制度目的で保有しておく必要はないと思います。
サービス複雑化により面倒な印象
これまでは誰でも同じレベルで特典があったので、例えば振込手数料月3回無料のためだけに利用するという人もいたかもしれません。そういう人からすれば、この「スマートプログラム(仮)」は「改悪だ」と思うでしょう。またもちろん、多く預金やサービスを利用している人にとっては、さらに優遇されることになりので嬉しいという人もいると思います。
その辺りは個人の運用方法次第なのでなんとも言えませんが、僕はサービスが複雑になってただ面倒だなと思いました。今後さらに複雑化ということもあり得るので、出来る限りシンプルな方向に進めてもらいたいと思っています。