先日、定期預金に関する相談を受けた際のお話。「長年、地元地銀への定期預金を続けてきたがもっと良い方法はないか?」との相談がありました。
資産運用の方法は様々で、当然リスクとリターンも様々です。どのような方法を選択するかは最終的にその人の性格にあったものでないといけません。そこで今回のケースは、銀行預金への預金という前提条件のもと話がスタートしたわけですが、そこでこんなワードが出ました。
インターネットバンクへの定期預金は不安である
「ネットバンクへ長期間預金するのはなんだか不安だ」
長年メインバンクとして利用している地銀へ定期預金を続けているようでしたので、「預金だけであれば金利の高い他の銀行(主にネットバンク)を利用してみてはどうか」と僕は提案したのですが、大切な資産を失いたくない想いからそのような返答があったんだと思います。
でも、それって実際どうなのでしょうか?
現代社会において「大手だから安心」なんて言葉は、銀行に関わらずありえないと思っています(経営危機に陥っても国が助けるケースはあるでしょうけどね)。それに、ある程度の預金であれば、インターネットバンクを含め預金保険制度もありますから、インターネットバンクだから不安ってのは間違いです。
預金保険制度(ペイオフ)がある
メガバンクなら安心、ネットバンクは不安という方は「いくら金利が高くても、預金している間に銀行が潰れてしまったらお金が戻ってこない」という不安が多いのではないかと思います。今回のケースもまさにそうでした。
ここで関係してくる制度が「預金保険制度(ペイオフ)」です。預金保険制度(ペイオフ)は、「金融機関が万が一破綻した場合に、一定額の預金を保護する」制度ですが、ネットバンクも他行と同様この対象になりますので保護されます。
via 預金保険機構
もしネットバンク(ネット銀行)が倒産してしまったら
先ほどの相談に話を戻しますが、もし今回、預金先の銀行を地銀からインターネット専業銀行へ変更し、その定期預金機関に銀行が潰れてしまったらどうなるのでしょうか?
結論は、「ネットバンクへの定期預金も預金額とその利息が保護されます」。現在の預金保険制度では、元本1,000万円までと、破綻日までの利息等を保護となっています。よって預金額がこの金額以下であれば、メガバンクや地銀であろうとネットバンクであろうと同様に保護されるわけです。
預金額が1,000万円を超えていた場合どうなるのか
預金額が預金保険制度の上限1,000万円を超えていた場合、その超えた金額に対しては、破綻した金融機関の財産状況に応じて支払われることになっています。
これはどの銀行であっても同様で、状況によっては返金されない可能性があります。あくまで破綻した時の財産状況によるため、メガバンクだから返金される保証があるなんてことはありません。
全ての預金が制度の対象になるわけではない
預金保険制度(ペイオフ)も、「外貨預金」などは対象から外れます。どこの銀行でも対象外の商品に対しては恐らく注意書きがあると思います。
とはいえ、利息のつく普通預金・定期預金・定期積金など一般的な商品は対象ですのでご安心ください。一部対象外の預金商品もあるんだと認識しておけば良いでしょう。
「ネットバンクへの預金は不安」は正しいのか?!
インターネット専業の銀行だと当然ながら実店舗はありません。日頃から手続きは全て窓口でないとできないという方もいますし、そういう点でネットバンク自体、全ての方にオススメできるわけではないと思います。
ただし今回説明した通り、メガバンクでもインターネット専業銀行(ネットバンク)であっても、万が一破綻するようなことがあれば同様に保護される制度があります。また破綻する可能性についても、現代社会において「大手だから安心」なんてことはあり得ません。
そう考えていくと、インターネット上での手続きに問題がない方であれば「ネットバンクへの預金は不安」という考えはなくなるんじゃないでしょうか。金利はネットバンクの方が明らかに良いですしね。
これを機にネットバンクの口座開設を新たに検討される方がいましたら、僕は「住信SBIネット銀行」や「じぶん銀行」をおすすめしますよ。